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くらしとバイオプラザ21とは

教員研修(生物学分野)が行われました

(独)科学技術振興機構(JST)は教育現場における先生と生徒との間の双方向性のある授業を目指して、各都道府県教育委員会から1名ずつ推薦された先生方を対象とした教員研修を日本科学未来館で毎年開催しています。これまでに化学と物理が採り上げられてきましたので、今年度は生物をテーマにして行うということで、NPO法人「くらしとバイオプラザ21」が依頼を受けて、「実験および座学」という2日目午後のプログラムを企画し実施いたしました。 本研修は全日程は3日で、1日目は「話芸」、2日目は「理科ねっとわーくの解説と実践」と「実験および座学」、3日目は「シナリオ演習」となっています。

見てみようバイオの世界 〜身近な材料から〜
対象研修内容
 高等学校  座学:「遺伝情報とその利用」
実験1:動物・植物細胞を見よう
実験2:ブロッコリーからのDNA抽出
デモ実験:DNAの電気泳動
 中学校 座学:「植物のバイオテクノロジーの基礎」
実験1:ブロッコリーからのDNA抽出
実験2:酵素を使ってバイオの世界を見る
デモ実験 1:DNAの電気泳動
デモ実験 2:細胞の中の核を見る
 小学校 座学:「人のDNA〜せいめいのおてがみ」
実験1:動物・植物細胞を見よう
実験2:ブロッコリーからのDNA抽出
デモ実験:酵素を使ってバイオの世界を見る


「DNAの世界を身近に感じ、理解してもらい、教育の場で生徒と一緒にできる実験」を目的に、小中高の共通テーマとして、「見てみようバイオの世界 〜身近な材料から〜 」を掲げました。高等学校は9月9日、中学校は9月23日、小学校は10月19日に実施しました。座学の講師は、当NPO法人の太田隆久代表、茨城大学遺伝子実験施設の安西弘行助教授、当NPO法人の佐々義子主任研究員、そして実験は当NPO法人の外山博視事務局次長が担当しました。

高等学校の座学聴講風景 教員テキスト


 アンケートでは、おおむね満足の行く研修という結果でしたが、中学校と高等学校では、もう少しレベルの高い実験の希望がありました。また、高等学校では、教員自身のレベルアップを望む研修にしてほしいとの意見がありました。一方、小学校の研修では、今回の実験をそのまま現場に持ち帰って実施したいとの声がありました。


座学で説明する太田隆久先生(高校) 安西弘行先生(中学校) 佐々義子先生(小学校)


質疑応答で出された質問の中から、3例を紹介します。

質問1:DNAは消化の中で、どのように分解され、吸収されるのか
回答:DNAは、胃の中の酸や小腸の中にあるDNA分解酵素で分解され低分子になり、腸管から吸収されます。ATPは、体内の酵素により、うまみの成分のひとつであるIMP(イノシン酸)となります。
DNAは物理的にこわれやすく、DNAを長いままで生体からとりだすことは難しい。また、調理中に物理的にこわれ、各細胞の中には、DNA分解酵素は普遍的に存在します。
一方、RNAについては、RNA分解酵素は、もっと普遍的に存在しているので、もっとこわれやすい状況にあります。
 
質問2:生物が絶滅しそうになるときは、遺伝的に均質になってくる、というが。
回答:絶滅種は個体数が減るため、近親婚が多くなり、子孫を増やすのに不都合な欠損遺伝子や劣性遺伝子の蓄積が起こるから。
遺伝子が離れているもの同士をかけあわせた場合には、欠損遺伝子や劣性遺伝子の発現は低くなる。例えば、生産に使う作物の種は、F1雑種であり、生産性も良く、病気にも強い。種子会社は、優良なF1の種を開発、販売している。
 
質問3:ブロッコリーからのDNA抽出で失敗しないためには
回答:1)新鮮なブロッコリーを使用する。
2)洗剤は多めに使って、核膜を壊すほうがいい
3)細胞膜の破壊には、ミキサーを使いつぶしてもDNAには損傷を与えないが、洗剤が入った後は、マイルド(強くかき混ぜないよう)に扱うこと。


その他の質問
質問1:目的の遺伝子を見つけるのはどのようにして行うのか。
質問2:ブロッコリーから抽出されたDNAをDNAだと理解するにはどのような方法がありますか
質問3:クローン、遺伝子治療、遺伝子組換え食品に対して生徒はそうでもないが、大人には懸念を持っている人が多い
質問4:遺伝子組換え作物の安全性について
質問5:遺伝子組換えの危険なところとは何か
質問6:遺伝子組み換え作物について感情論でなくまじめな議論をやっている場はありますか。継続的に
質問7:組換えで新しい生物に及ぼす影響は
質問8:琉球大学の比嘉照夫教授が、開発し、自然農法に使用しているEM菌(Effective Microorganisms)の効果や期待は
質問9:微生物をつかった環境バイオ技術は

実験で説明する外山博視先生 ブロッコリーからのDNA抽出風景
酢酸カーミンで染色されたタマネギの細胞の核 酢酸カーミンで染色された口腔粘膜の細胞の核






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