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第2回バイオカフェレポート「地球環境にとっての遺伝子組換え技術」

3月18日(金)第2回バイオカフェを開きました。当日は第一回より多くの方においでいただきました。とても嬉しかったのは、第1回の参加者がお知り合いを伴って再度、おいでくださったことでした。 初めに高橋節子さんにより「愛の挨拶」(エルガー作)など3曲のバイオリン演奏がありました。耳慣れた調べもそばで聞くとこんなに深く響くものか! スピーチは農場見学会(毎年7月に開催)でおなじみの(独)農業生物資源研究所田部井豊さんによる「地球環境にとっての遺伝子組換え技術」でした。

参考 農場見学会レポート http://www.life-bio.or.jp/topics/topics91.html

心に響く音色! 「紙芝居」を使って説明される田部井先生  会場風景


田部井さんのお話の概要

私たちと自然環境の関係は、太陽が植物を育て、草食動物が食べて、やがて人間がそれらを食べるという関係。基本は緑色植物の光合成に依存している。

自然環境の問題
1)水質汚染と農薬、2)砂漠化(水不足と塩害が広がる)、3)土壌流亡(小麦や大豆、トウモロコシなどの畑作では年間10億ヘクタールの土壌が流れ失われている)、4)温室ガス(二酸化炭素)の増加、5)オゾン層の破壊(オゾンホールは南極の面積の2倍)、6)人口の増加(食糧問題を伴う)

生産性の向上
人口増加に対して森林伐採に拠る耕地増加を目指すと、森林の保水、二酸化炭素固定、癒しなど多くの働きも失われてしまう。農業生産性の向上しかない!
例えば、除草剤耐性の農作物には次のようなメリットがある。耕さなくていい栽培方法(不耕起載倍)で土壌流亡防止と二酸化炭素固定、雑草防除が楽になり、農薬散布が減り、そのために使うエネルギーが節約でき、農家はおよそ7%の増収。
害虫抵抗性では、殺虫剤散布の費用や労力の削減、標的以外の昆虫を殺さないで済む。

遺伝子組換え技術の利用
日本ではイネに小松菜から取った遺伝子を入れてイモチ病への抵抗性を持たせる研究が進んでいる。
人間の活動と農業は、地球環境を破壊しながらやっていかなくてはならない産業である。農業を大切に続けていくために遺伝子組換え技術を活用できないだろうか。
1)農薬を使わずに丈夫に育つ農作物、2)化石燃料依存社会からの脱却、3)生分解性プラスチックの生産、4)汚染された環境の浄化、5)花粉症緩和米つくりなどに遺伝子組換え技術が使えるような環境の整備


ディスカッションの主な内容(→は田部井さんの発言)

○ 土はよく耕した方が、空気が土に混ざっていいと聞いていたが、不耕起栽培はどうなのか
→実際には土が固くてもよく育つ(不耕起栽培というものを初めて知った、驚いたという声が多く聞かれました)。

○ 生分解性プラスチックの研究・開発に、農林水産省ではどのように取り組んでいるのか
→現在、農林水産省では具体的には取り組んでいないが、生ゴミからプラスチックを作るプロジェクトはある

○ 組換え技術を用いると農薬を減らすことができ、土壌流亡防止などプラスがあるということだが、害虫だけを殺すことができるのか
→鱗翅目(リンシモク)という種類の虫だけを殺すような仕組み。渡りをする蝶が死ぬという研究発表があったが、害虫耐性組換え植物がある個体群を消滅させるような影響はない。

○ 組換え技術で害虫だけが減ると食物連鎖に影響しないのか
→害虫駆除は組換え農作物でも殺虫剤でも行ってきた。それで、個体群が消滅したという事実はない。しかし、米国では耐性を持つ昆虫の発生防止のために全部を組換え農作物にしないような措置がとられている。

○ スマトラのような津波が起こると塩害も起こると思うが、塩害耐性イネは使えないのか
→残念ながら、まだ実用化にいたっていない。

○ 農薬に耐性を持つ遺伝子組換え農作物は嫌われるのは、農薬は悪いものだという考え方から発しているのではないか。農林水産省からの情報発信は足りないと思う
→1997−2000年のころよりはよくなっていると思うが、まだ不足だということですね。除草剤耐性だと多量に散布してよいと思う人が多いようだが、農家はそんな無駄なことはしない。こういうことが伝わっていないのには「ほしいときにほしい情報が取れる仕組み」がないからだと思う。たとえばインターネットの活用など。

○ 普通の家庭で、本当にインターネットを使いこなしている家庭はそんなに多くないのではないか。


 バイオカフェとは

1998年、英国のリーズで、カフェ・シアンティフィク(Cafe Scientifique)という科学技術について気軽に語り合う集まりが始まりました。今では英国主要都市、フランス、イタリア、米国、シンガポール、ブラジルなど多くの国のカフェやバーで行われています。日本では、16年度科学技術白書にそのレポートが掲載されたことから、理科離れ、智離れの対策として、注目されています。

くらしとバイオでは、講演会は一方通行の情報提供になりがちなことから、談話会を2003年2月から開始。すでに13回開催し、レポートをこのホームページに掲載してまいりました。今回、お隣の喫茶店リリーさんのご協力により、もっとリラックスして対話する場をつくることができました。今後、月1〜2回を目指して開催していきたいと考えております。
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