くらしとバイオプラザ21

くらしとバイオニュース

HOME
What's New

くらしとバイオニュース

バイオイベント情報

やさしいバイオ

リンク集

バイオカフェ

くらしとバイオプラザ21とは

シンポジウム「遺伝子組換え植物・食品における安全と安心の確保」が開かれました

3月30日(水)、農林水産先端技術振興センター(STAFF)の主催により、農芸化学会において標記のシンポジウムが開催され、STAFF外内尚人さんからレポートが届きました。(本稿はそのレポートをもとにくらしとバイオプラザ21でまとめたものです)

北海道では遺伝子組換え栽培を大幅に規制する条例が成立し、研究用も含めて栽培試験の実施が困難になりつつあるように思われます。今回の農芸化学会はそのような状況にある札幌で行われました。「大学・研究所において、PAの必要性を感じて行動されている研究者も大勢おられますが、その一方で、PAの現状をあまりご存じない方もおられるのではないか、学会に参加された方に対してPAの現状やPA推進の今後の戦略等について情報発信し、また、議論できると大変有用ではないか」とSTAFFでは考え、このシンポジウムを企画しました。
折しも農芸化学会では、植物生理学会などと6団体の連名で「遺伝子組換え植物について過度な規制を防ぐとともに社会における適切な受容を進める体制を求む」提言が出されたところでした。
提言「遺伝子組換え作物の社会における適切な受容を進める体制を求む」
http://www.jspp.org/16appeal/teigen2005.html

日本農芸化学会大会という専門家が最新の研究成果を発表しあう場での試みであったため、当初は、参加者が集まるか懸念されましたが、実際には、座席数約200席の会場では、立ち見や通路に座る人も出るなど、終始満杯。
 また、一般市民への講演用パワーポイント資料(CD-ROM;無料)に対して、100名を越える申込者があったとのこと、参加者の積極的な姿勢がうかがわれます。


具体的な発表と議論の内容

  1. 遺伝子組換え食品の安全・安心の現状と課題
    (社)農林水産先端技術産業振興センター(STAFF) 外内尚人 氏


    GMOの世界的状況とPAの現状について概説し、「出前講座」などSTAFFでの取り組みと課題について紹介。会場からは、「メディアの活用や、そのための広告代理店の利用などは考えられないか」等の提案がありました。
     
  2. 遺伝子組換え食品の安全を確保する関連法令について
    明治大学 中島春紫 氏


    カルタヘナ法や組換え教育に関する法律について、とてもわかりやすくまとめて説明していただきました。

  3. 遺伝子組換え食品の安全性評価と社会的認識 食品総合研究所 日野明寛 氏

    研究者がリスクコミュニケーションへ参加する重要性について、研究者の立場から、同じ研究者である参加者に対して述べられました。研究および安全性評価を、「とりあえず」、「一応」で考えてはいけない。これらを責任をもって行い、かつ消費者と定期的に接する形をつくっていくべきだという、非常に常識的に理解をして活動されている日野先生ならではの講演でした。

  4. 「遺伝子組換え食品の安全と安心」−開発企業の取り組み
    日本モンサント 坂本智美 氏


    バイオ分野において「注目も矛先も向けられるモンサント」におけるPA活動報告と、専門家(科学者)が行うPAの効果的な方法の紹介。
    情報提供をするときに具体的に必要なこと
    ・ 楽しく・わかりやすく、イメージをさせること
    ・ 専門用語は使わないで説明することが必要
    ・ 情報提供する相手が誰かを、常に意識すること
    ・ 研究者が研究の目的を、消費者と共有できるような説明を行うこと

  5. NPO法人HOBIAでの安心確保への活動 
    HOBIA 冨田房男 氏
     

    HOBIAの活動を例に、PAの効果、課題等について紹介。シンポジウムや体験学習では、その時は良く理解するが後には残らないので、その後のフォローが課題。北海道の条例に対しては、「GMO栽培は産業活動で、一般作物栽培は農業生産という差別化はおかしいのではないか。審査に要する高額な審査料にも疑問がある」という意見が述べられました。それに対して北海道大学松井博和先生(検討会座長)も含めた活発な議論が展開されました。


参考サイト
第4回遺伝子組換え作物の栽培試験に関わる実施条件検討会レポート
http://www.life-bio.or.jp/topics/topics114.html

因みに「遺伝子組換え作物の栽培に関するガイドライン」に基づき、道内の生産者や試験研究機関を対象に、開放系(屋外)での遺伝子組換え作物の栽培計画について調査を北海道庁が実施したところ、平成17年度に道内において遺伝子組換え作物を開放系で栽培する計画はないそうです。3月中旬の新聞報道で、条例に背いた場合の懲役を含む罰則が示されたためにこの条例は注目されています。
http://www.pref.hokkaido.jp/nousei/ns-rtsak/shokuan/conf.html


シンポジウムを終えて(外内さんの感想)

今回、講演者の先生方、参加された多くの先生方のご協力により、学会大会の中でのシンポジウム開催として、予想以上の成功だったと思います。PAの重要性を認識し、他人事ではなくご自身の問題と捉えて関心を持って参加された先生方が多いことは、とても頼もしいことと感じています。
もともと一般消費者は科学者を尊敬しているので、それだけに科学者の先生方の言動は、説得力も影響力も大きいと思います。そういった方々が目線を合わせてコミュニケーションを図る事で、より信頼され、最も有効なPAができると期待できます。今後、参加された先生方が、ご自分のPA活動に活かして戴くことに期待します。また、私どもSTAFFも是非お役に立ちたいと思います。





ご意見・お問合せ メール bio@life-bio.or.jp

Copyright (c) 2005 Life & Bio plaza 21 All rights reserved.