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第8回バイオカフェ「よみがえる幻の泡盛」レポート

6月17日(土)、梅雨入りしたのに、ちょうど晴れて、3月以来、銀座のバイオカフェを開きました。お話は(財)バイオインダストリー協会主任清水由美さんによる「よみがえる幻の泡盛」でした。
松本さんのビオラの演奏では、ヘンデルのブーレなどのおなじみの曲のほかに沖縄の島唄。泡盛のお話の前にジーンと心に響いたというアンケートの声もありました。また、当日は御酒(うさき)の試飲も行ったので、参加者の発言もますます滑らかになり楽しい語らいの一時となりました。


清水さんのお話の概要

沖縄が第二次世界大戦で壊滅的な被害をうけたときに、沖縄の泡盛をつくる酒蔵も失われてしまった。「発酵の父」と呼ばれる坂口謹一郎博士は、発酵に関するいろいろな微生物の収集を戦前から行っており、おいしい泡盛をつくる黒麹の収集も行っていた。収集した微生物は東大に持ち帰って保存していたが、東京も戦火から逃れることはできなかったため、微生物の一部は新潟に疎開させて保管された。そのカルチャーコレクションを利用して、「御酒」が、戦後よみがえり、戦火を乗り越えた泡盛として注目された。坂口先生は、従来のおいしい発酵食品からその理由をさぐるといった、製品からさかのぼる従来の研究方法でなく、よい水、よい微生物、よい米というように、要素から考えるアプローチをとられた。「きみ知るや銘酒、あわもり」という論文を書かれたり、菌塚をつくられたり、坂口先生にはエピソードが多い。

参考サイト http://www.life-bio.or.jp/topics/topics154.html

心に響いた「島唄」 清水さんのお話


質疑応答

  • は参加者の発言、→はスピーカー
    • 泡盛をはじめて飲んでおいしかった
    • 泡盛は色があると思っていたが、透明できれい→黒麹なので、黒っぽいと思う方があるようですが蒸留するので澄んでいます。日本酒は蒸留しないので少し、色があることもあります。
    • 御酒は30度なのに、飲みやすいので、飲みすぎてしまいそう→日本酒のように蒸留していないお酒は、発酵限界といって、菌が生きられなくなるような高アルコール濃度になることはないが、蒸留酒は蒸留によりアルコール濃度は高くなる。蒸留酒に度数がいろいろあるのはおいしくなるバランスで水を加える
    • 麹菌は時間がたっても同じ菌ですか。戦前と同じ味なのですか→遺伝子は変化していくもの。麹菌のDNA鑑定をしないと正確なことはいえませんが。ですから寄託センターでは預けられた菌で同じものを作れるかどうかの試験を定期にしています。だから、お金と手間がかかり、民間では運営が難しいこともわかりますね。
    • 母がこどもを育てるように味噌をつくっていたことを思い出した。夜中に混ぜたりしていた。熊本県だが、各家で作っていたので、味噌は作るものだと思っていた。各家庭で作るものが今は減ってしまった。買っていると、家でも作れることを知らないこどももいる→泡盛はこどもが生まれたときなどのお祝いで作る。年数を重ねると必ずおいしくなるか、というとそうではなくて、毎年、味見をしては、おいしくなったときは大切に保存し、おいしくなくても(沖縄の人たちの気質なのか)、来年はおいしくなるだろうと大切にしまっておくそうだ。子供も、来年こそは立派になるだろうと育てていくのと似ているかもしれない。
    • お酒は家で作っていいのか→酒税法で禁止されている。梅酒などは自宅で消費するのは例外。
    • 泡盛の名前の由来は→いくつも説がある。1)粟をつかって作った、2)発酵が進むと泡がでる、3)お酒を高いところ注いで泡の出方で発酵の度合いを調べた、4)薩摩焼酎と区別するためなど
    泡盛の試飲 会場風景

    • 初めからタイ米だったのだろうか→シャムから献上されたものはタイ米で作られていたはず。
    • なぜタイ米で作ったのか→あるワインのソムリエが書かれた資料に、戦後、芋や米で作ってみたがおいしくなかったとある
    • 黒麹もタイからきたのだろうか→琉球王朝にシャムからお酒が献呈されていた。黒麹も献呈されたかどうかわからない。貿易だけでは、十分で足りなくなったときに、沖縄国産をつくるようになったらしい。
    • ウィスキーは樽で作るけれど、泡盛を素焼きの器で作るのはなぜ→わずかな通気性が大事。甕に釉薬をかけると通気性がなくなるので、素焼きの物を用いる。ある程度、飲み残したものでも、おいておくとまろやかになるそうだが、あまりに少ないと、空気と触れすぎて、おいしくなくなってしまうそうだ。
    • 泡盛をつくるのは女性か。お酒の杜氏は男性だが、ワインを踏むのは女性→現在、泡盛を作っている沖縄の酒蔵は47軒で、女性が杜氏を勤めている酒蔵はひとつだけ。昔、泡盛は各家庭で作られており、その役目はおかあさんが担っていたといわれている。
    • 黒麹が戦火を超えて生きられたのは→黒麹は黴の仲間なので、最後には胞子になる。胞子は滅菌してもなかなか死なないで、しぶとく生き延びる。一度、カビの実験をすると、胞子が残りやすいので、他の菌の実験の邪魔になる。カビの実験をするために別に実験棟をたてるくらい、気を遣う。



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