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はこだて国際科学祭「ドクター・バンヘッドの科学実験パフォーマンスなんでも相談室」

2009年8月31日(月)、函館市地域交流まちづくりセンターにて標記ワークショップ(WS)が、ブリティッシュカウンシル主催、山科直子東京大学教授のコーディネートにより開かれました。ドクター・バンヘッドは英国を初め世界400カ国で1000回以上の科学実験パフォーマンスを実施されている著名なサイエンスコミュニケーターで、はこだて国際科学祭でサイエンスショーを日本で初演するために来日されました。WSでは、同氏のパフォーマンスを含めた講義と、日本全国から集まった5組のサイエンスコミュニケーターによるパフォーマンスとその批評・検討が行われました。同氏が通常は4日かけて行うWSを1日に凝縮させた密度の高い催しでした。

サイエンスショー

2009年8月30日、函館市民公会堂大ホールでドクター・バンヘッドのサイエンスショーが開かれました。定員1000名のショーは7月27日に申し込みが定員に達するという人気ぶり。50枚の当日券の入手を希望する人たちが9時から長い行列を作っていました。
サイエンスショーのテーマは「燃焼と爆発」。水素、ヘリウム、液体窒素を用いた実験が、次々に登場しました。ドクター・バンヘッドの楽しいおしゃべり、身振り手振りに引き込まれ、会場から舞台に上がったボランティアも、白衣や防護メガネを身につけ、水素の風船に火をつけるなどの華々しい実験に臨みました。ファラディーの法則でよく知られているファラディー博士が、100年前に市民のために行った講座「ロウソクの科学」を髣髴させる1時間でした。
参考サイト http://www.sciencefestival.jp/festival/event_c02_01.html

会場で配られた「満員御礼」シールを貼ったチラシ 楽しいサイエンスショー

ドクター・バンヘッドの科学実験パフォーマンスなんでも相談室

8月31日午前10時30分から午後6時まで、講義、演習、参加者による演示実験とその批評と盛りだくさんのプログラムが行われました。開始早々、30秒間で相手を紹介するプレゼンテーションが行われました。聴覚と視覚に訴えるだけでなく、動きも採り入れて、聞く人の心をつかめるように、参加者は初対面の二人組で工夫を凝らしました。 講義では、サイエンスコミュニケーションは参加者を科学の旅にやさしく誘う心遣いが必要。言葉づかい、長すぎない説明、わかりやすい言葉の並べ方、順序立てて解き明かしていく方法などのキーポイントが、教育学や認知科学の重要項目とともに、実演、実例を交えて、丁寧に解説されました。 エントリーした参加者(教師、学生、サイエンスコミュニケーターなど)のパフォーマンスは、「メビウスの帯を切ってみよう」「翼を振りあげる筋肉を探せ」「発砲スチロールのリサイクル」「サケをしろう!」「キッチンサイエンス」でした。


ドクター・バンヘッドとコーディネーター山科直子先生 指令!メビウスの輪を指輪にみたてたラブストーリーにすること!」
「発砲スチロールはオレンジの油で溶けて小さくなります」 「鶏の翼はどの筋肉を引っ張ると動くのでしょう」
「酸・アルカリの実験を“酸探査隊”のドラマにしてみたら?」 「筋肉の働きから、もっとアイディアはないでしょうか?」

全員のパフォーマンスと批評の後、ドクター・バンヘッドにより容積の200倍の水を吸い込むことができる、吸水ポリマーと呼ばれる化学物質(紙オムツに使われている)を使った実験が演じられました。吸水ポリマーを入れたカップに水をいれると、ゼリーのように固まってしまい、コップを逆さにしても水が落ちてこなくなるのです。
最後に、記念品として「はこだて国際科学祭」のオリジナルTシャツをいただいた参加者は、今日一日の充実した経験を胸に帰っていきました。

吸水ポリマーを使った実験。
どのコップに水を入れたのでしょうか?
集合写真