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  • 「食品添加物不使用表示に関するガイドライン」公開される

    消費庁は2022年3月、食品添加物不使用表示に関するガイドラインを策定し、公開しました。このガイドラインは、食品添加物の不使用表示が食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第9条に規定された表示禁止事項に該当するか否かを判断するときの助けになるもので、10項目の類型が示されています。事業者が、消費者の誤認を防ぐために守るべきルールともいえます。
    くらしとバイオプラザ21では、食品添加物不使用表示に関するガイドライン検討会の動きをずっと注目してきました。この検討会のスタートの背景に、「●●不使用という表示があるから●●を使わないほうがいい」「無添加というときには一切の食品添加物が使われていない」などと誤認をしている消費者がいるので、そのようなミスリードをする表示をやめてほしいという、消費者からの声があったからです。私たちはこれまで、コンシューマーズカフェで消費者庁、食品添加物事業者、消費者の立場の方々から意見をうかがいながら、この問題を考えてきました(※)。
    今回、私たちは、本ガイドラインに基づき、どんな無添加・不使用表示が食品表示基準9条第1号、第2号、第13号に抵触する恐れがあるのかをわかりやすく整理した資料をつくり、記者クラブに投げ込みを行いました。

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    10の類型を説明する資料をくらしとバイオでつくりました。

    この類型をもとにみてみると、次のような表示は第9条に抵触するおそれがあることになります。
    (1)保存目的の添加物を使っていながら、「合成保存料不使用」もしくは「保存料無添加」といった不使用表示をしている商品は、消費者に大きな誤解を与えます。
    (2)「化学調味料」は、行政上の用語として使われず、定義もありません。「化学調味料」に関する、消費者の認識はバラバラであるにもかかわらず、「化学調味料無添加」の表示がよくみられますが、消費者をミスリードする表示です。
    (3)「無添加だから体に良い」といった表示に、科学的根拠や無添加は関係がありません。よって、無添加が健康によく、安全であるかのような表示は、消費者を惑わす表示だと思います。

    このガイドラインは、不適切な表示を取り締まるのではなく、消費者をミスリードしない表示について、消費者、流通、加工食品メーカーが共に学び、互いのリテラシーを高めあっていくために策定されました。そのことを、私たちは忘れずにいたいと思っています。家庭で調理してすぐに消費すれば、食品添加物は使わなくてすむでしょう。もちろん、そういう食生活もありますし、調理の時間がないとき、製造から一定の時間は安全においしく食べられるコンビニのお弁当を買うこともあるでしょう。いずれにしても、食品添加物は安全な食べ物が安定供給されるための大切な役割を担っています。食品添加物の役割、関連する規制についてよく知り、自分に必要な食べ物を納得して選んでいきたいと思います。

    ※ 食品添加物の表示について学んだ4回のコンシューマーズカフェ

    参考サイト「食品添加物不使用表示に関するガイドライン」

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